人を欺くサウロンの気質をシーズン2ではさらに深掘りしていきます。まさにシーズン2はサウロンを主役にした物語です。指輪も軍隊も同盟国もなく、ただあるのは彼の知恵のみ。その知恵で架空の生物オークやエルフを翻弄していくのです。「今シーズンは一気に始まり、どんどん進んでいく」というJ. D. ペインの発言に裏切りはなさそうです。
「SHOGUN 将軍」の監督が製作を仕切る
「サイコスリラーのようによりダークになり、アクションのスケールがより大きくなる」こともJ. D. ペインは明かしています。それを具現化する製作体制が実はシーズン2から変更されています。シーズン2から監督および共同製作総指揮がこれまでのJ.A.バヨナからシャーロット・ブランドストロムに代わり、新体制で挑んでいるのです。
ブランドストロム監督もヒットメーカーの1人です。シーズン1から今作に関わり、戦闘シーンが見どころになった第6話、第7話を担当していました。代表作にはディズニープラスの「SHOGUN 将軍」も並びます。ちなみに「SHOGUN 将軍」は真田広之が主演し、今年のエミー賞有力候補として話題の作品です。
アクションも心理描写も巧みな監督ということで、マルケラ・カヴェナーが愛らしく演じるハーフット族の少女ノーリや、今作の出演をきっかけに注目されるタイロエ・ムハフィディンの少年テオなど、キャラクターたちの魅力がますます発揮されるのではないかと期待してしまいます。
インタビューに答えた監督自身、「視聴者がキャラクターやストーリーに入り込めるように意識した。忍耐強く見進めてくれることを願っているし、楽しんでくれるとも信じている」と話し、自信たっぷりです。
今シーズンの主役、サウロン演じるオーストラリア人俳優のチャーリー・ヴィッカーズは作品ファンとの絆を深めている様子でした。撮影地のニュージーランドや、イギリスやシンガポールでのプレミア上映会でファンが詰めかけるたびに「この作品は世界中にちゃんと届いているんだ」と実感しているそうです。「トールキンの世界観を正しく表現して、シーズンが進むたびにもっと良くしていこうって意欲が湧いてくる」と語る誠実な姿勢にも好感が持てます。
あらゆる面で整い、ようやく走り出したシーズン2は、シーズン1で離脱してしまった人や配役に違和感を覚えた人を取り戻せるかがカギになるはず。気長に作品力の評価を待てるAmazonの余裕が助けになるように思います。
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