駅の「切符販売機」硬貨投入口が"縦型"なのはなぜ ほかの自販機と比較して、答えを導き出そう

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もう1つ例を出しましょう。こんな問題があったとします。

「カナダ人は太陽を『黄色』だと考える人が多い。それはなぜか?」

このとき、「カナダはなぜ黄色なのか」を考えていても答えは出ません。「日本人は太陽を『赤色』だと考えている人が多いけれども、なぜカナダ人は『黄色』だと考えている人が多いのか?」と比較して考えると答えが見えてきます。

カナダと日本を比べればいいのです。カナダと日本の違いを考えてみると、気候や地理的な条件が思い付くはずです。カナダのほうが日本より寒そうですよね。

カナダと日本の緯度で考える

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そして、色が違って見えるのは、太陽の日の光の強さが違うのではないか、と推測することができれば、「もしかして、緯度が低くなるほど太陽との距離は短くなるんじゃないか」ということに気づき、「太陽との距離が日本よりカナダのほうが遠いから、それが理由なのではないか?」と考えることができます。

ということで、この問題の正解は、「日本よりも緯度が高いので、太陽との距離が遠く、日の光が日本ほど強くないから」となります。「カナダがなぜ黄色なのか」ではなく「日本は赤色なのに、なぜカナダは黄色なのか」ということを考えることで、答えを出すことができたわけですね。

今回紹介した2問は、一見すると「知っているか知らないか、雑学の知識がないと解けない問題」に見えたかもしれませんが、実はそうではなく、しっかりとほかのものと比較していく中で答えが見えてくるという問題でした。

この考え方は、入試の問題だけでなく、われわれの日常生活でも活かせるものです。「どうして成績が上がらないのか?」と考えるよりも、「どうして、〇〇さんよりも成績が上がらないのか?勉強法にどんな違いがあるのか?」というように考えたほうが、答えが見つけやすくなりますよね。また、商品を買うときでも、「これが本当にいいものなのか?」は、他と比較してみないとわかりません。比べる中で、見えてくるものがあるのです。

比較して思考していく習慣をぜひみなさんに身につけていただきたいと思います。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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