バイデン「USスチール買収阻止」のデカいリスク 政治的理由での介入で米企業のイメージ悪化も
本件に詳しい3人の関係者によれば、ジョー・バイデン大統領は、日本の日本製鉄によるU.S.スチール買収の試みを、国家安全保障を理由に近く阻止する準備をしている。
買収を阻止する決定は、アメリカの重要な同盟国である日本に本社を置く企業による企業買収が、国家安全保障に脅威を与えるかどうかをめぐり、議員、ビジネスリーダー、労働関係者の間で数カ月間論争が続いた後に下されることになる。
東アジアで中国の影響力が増す中、アメリカが日本との関係を深めようとしている時に、バイデンがこうした理由で買収を阻止しようとすれば、両国関係を揺るがしかねない。
対米外国投資委員会も「国家安全保障上の懸念」
対米外国投資委員会(CFIUS)は数カ月前から今回の取引の潜在的なリスクを精査してきた。バイデン政権が11月の大統領選挙前に介入してくるのではないか、という憶測が広がっていた。
バイデン政権の関係者はニューヨーク・タイムズ紙に対し、CFIUSは「まだ大統領に勧告を送っておらず、それがこのプロセスの次のステップだ」と語った。
CFIUSは、アメリカ国務省、国防総省、司法省、商務省、エネルギー省、国土安全保障省のメンバーで構成され、ジャネット・イエレン財務長官が率いている。同委員会はここ数週間、USスチールに書簡を送り、この取引には国家安全保障上の懸念があると指摘した、と事情に詳しい関係者の1人は語る。