ユーロ圏分裂回避には「欧州財務相」が必要だ

ヨーロッパはギリシャ問題から何を学んだか

だが、こうした込み入った非難の応酬の中からも、将来の政策への手引きとなる教訓を引き出すことはできる。ユーロ圏のGDPの2%にも満たないギリシャの財政的な過ちが通貨統合の存続に深刻な危機をもたらしたのは、どこかに明らかな欠陥があるためだ。

改善策として、より厳しくユーロ圏の規制を強化していくべきなのか、あるいは状況の異なる加盟国が対応できるようにルールを調整すべきなのだろうか?

今のところ、ユーロ圏の基盤に欠陥があるため規制強化は失敗に終わっている。まず財政の安定性と共通通貨の維持を確保するため、財務および国際収支を抑制すべきだ。第二に、欧州委員会や欧州中央銀行といった超国家機関や各国を代表する欧州理事会が協力するという支援の枠組みを踏まえて、各国の政府が不均衡是正の責任を負うべきだ。

多様性踏まえて全体的な対応を

ギリシャ問題は、現行の制度では不均衡を迅速にコントロールして重大な危機を防げないことを示している。不均衡は無責任な政策によるだけではない。それは競争や制度的欠陥といった、より深い経済構造の欠点を反映しているのかもしれない。

もしドイツが国家の責任を強調することになれば、それはより厳しいルールを徹底させる方向へと向かい、結果として社会的、政治的混乱によるユーロ全体の崩壊へとつながりかねない。

別の選択肢は、連帯と責任のより良いバランスをもたらす「トランスファーユニオン」を採用することだ。アメリカはこの解決策を体現しており、国全体で統合的な発展パターンを確保している。

ユーロ圏は加盟国ごとに異なる状況を考慮しながら、全体的な状況に対応できる財政構造の強化を行わなねばならない。強化に当たっては、景気安定化策の実施や、経済・社会インフラを主体とする投資への補助などを目的として、一定の資金がユーロ圏の各国間で移動するのを許容すべきだ。

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