24時間テレビ「慈善番組で金儲け」批判への違和感 「出演者はギャラ返上」「広告費は全額寄付」は現実的か
その意味では「24時間テレビ」は先進的な取り組みであり、日本のチャリティーイベントの先駆けとして高く評価されてもよさそうなものだ。しかしながら、現状ではそうした評価は得られていない。
どうしてこのような状況になってしまったのだろうか?
「24時間テレビ」に対する4つの批判
現在における「24時間テレビ」への批判を整理すると大きく4つに分けられる。
1に関する批判は以前からあったが、顕在化したのは2016年だろう。
この年の「24時間テレビ」の放映時間中に、NHK Eテレの“障害者バラエティー番組”「バリバラ」が、「検証!『障害者×感動』の方程式」というタイトルの特集を組んだ。そして、番組の中で障害者を感動の道具とする“感動ポルノ”に対して異議を唱えた。本番組は、視聴者から大きな共感を集め、Twitter(現X)でもトレンド入りした。
この番組の影響を受けたのかどうかはわからないが、最近の「24時間テレビ」は“障害者の感動物語”のようなものは減っているようにも見える。ただし、“感動ポルノ”や“感動の押し売り”という批判は依然として続いている。
障害者に限らず、逆境に負けずに努力を重ねるストーリーは受け入れられにくくなっている。「根性」「忍耐」という言葉も死語とまでは言わないまでも、古臭く感じられるようになった。
いまでも「24時間テレビ」に感動する人がいるからこそ、一定の視聴率と募金額が確保できているのはあるだろう。ただ、視聴率も募金額も減少傾向にあることを考えると、番組の内容が時代遅れになっているところはあると思う。
一方、「24時間テレビ」を批判する形となったNHKは「プロジェクトX」の新旧作を放映しているが、同番組も旧作放映時と比べると、共感を得にくくなっている。本作もいずれ“感動ポルノ”と言われる可能性は十分にあるだろう。
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