京大教授が説く「株式投資」シンプルかつ深い心得 株式投資とは「成長の果実を分けてもらうこと」

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そもそも個人が株式を買う場合、大別して2つの意図がありうる。

① 安く買って高く売り抜けたい

② 優れた企業の株式をじっくりと持っていたい

である。

①を「短期売買型(もしくは短期投資型)」、②を「(長期)資産運用型」とする。この2つを区別しないのが一般的だが、実際はどちらを選択するかにより期待できる収益率に明瞭な差異が生じる。

「短期売買型」とは、これまでの一般的なイメージとしての「株式投資」である。

では短期売買はどの程度成功するのだろうか。

短期売買型と長期資産運用型の違い

単純化すれば「誰かの買い」は「誰かの売り」である。このため投資家全体としては、短期売買によって損得は生じず、誰かの得は誰かの損、この損得を足し合わせればチャラ、すなわちゼロサムである。

むしろ手数料やそれにかけた時間などを考慮すれば、合計はマイナスになる。さらにはその道のプロもいるうえに、最近ではAI(人工知能)の発達も著しい。これらに個人の投資家は勝てない。

つまり短期売買型とは投機である。個人を短期売買型に向かわせれば、結局は損失で終わり、資産を増やすどころではない。

これまで「貯蓄から投資へ」と資金が流れなかったのは、「株式とは売買で儲けるもの」との思い込みが強すぎ、損失を被った個人が多かったためだ。

これに対し、長期の資産運用型はどうだろうか。

経済の成長とともに企業は成長し、利益を増大させる。その企業利益を反映して配当金が支払われ、さらには株価が形成されるのなら、長期保有は投資家にプラスの収益をもたらす。

つまり資産運用型なら、投資家は企業成長の利益を享受できる。

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