京大教授が説く「株式投資」シンプルかつ深い心得 株式投資とは「成長の果実を分けてもらうこと」

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また資産運用型の資金が企業に向かえば、企業の成長を促し、経済が成長する。まさに政府が期待しているような「個人金融資産、企業、日本経済」の三者の成長と好循環が実現するだろう。

優れた企業の株式を「長期間保有」が重要

筆者は、長らく日本生命保険の資産運用部門に携わったのち学会に転じ、証券投資を分析・研究してきた。一方で、個人としても幼少から株式に親しみ、今日まで株式投資を続けている。

一個人としては結局のところ、「優れた企業の株式を長期間保有することが重要」との結論に至った。

市場全体が非常な活気に包まれ、株式と名前がつけばなんでも上がったとき、「出遅れた」と感じたこともある。しかし結果として大ケガもせず、それなりに満足のいく結果を残せてきた。

長期優良株の見つけ方のポイント
(出所:『京都大学人気講義の教授が教える 個別株の教科書』を参照し、東洋経済作成)

「優れた企業の株式を長期間保有する」ことについて、別の表現をしておく。

成長しつつ、内外の経済活動を支えている複数の個別企業の株式(個別株)を長期間保有することにより、それらの企業が実らせる多くの果実のうちの1個を分け与えてもらえる。

たった1個の果実だとしても、ずっしりと重く、個人の生活には十二分な大きさだろう。

確認のためにもう一度述べる。「短期売買」は企業が実らせる果実とは無関係のゼロサムのゲームである。「長期資産運用」は経済成長が実現している社会ではプラスサムであり、長期資産運用を目指した全員が利益を享受できる。

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