「私なんて」と自己評価が低すぎる人に言いたい事 自分をほめられるようになるためのヒント
クリニックを訪れる患者さんも、このものさしで物事を判断している場合が多く、好き嫌いをはじめとした自分の感情がわからなくなっているケースがあります。
ですから、上司との関係がこじれている方に「その上司が好きですか? 嫌いですか?」と質問しても、「さあ、よくわかりません」と困惑顔です。
しかし、「上司の言葉に対して、どう思いましたか? むかつきませんでした?」と尋ねるとハッとした表情になり、「あ、ムッとしました」という答えが返ってきます。
つまり、「感情」に一歩踏み込んだ質問をされてはじめて、自分の気持ちに気づけるのです。
「感情」と「事実」を切り分けて考える
謙遜さんも多かれ少なかれ、似たようなものさしで物事を判断している可能性があります。ですから、本心を抑えつけているものさしを手放し、常に、自分が今「どう感じているか」に意識を向けていただきたいのです。
念のためにいうと、自分の好き嫌いやそのときの感情だけに集中すればいいというわけではありません。
今まで感情を置き去りにしがちだった謙遜さんが、自分の気持ちに意識を向けるのは大切ですが、同じくらい客観性も重要なのです。
ですから、物事を客観的にみるために、「感情」と「事実」を切り分けて考えましょう。
先ほどの例でいえば、まずは「私は今、この上司にイラついてるんだな」と自分の感情を認め、受け入れる。そして、「上司に叱られた」という事実を把握して、同じ事態に陥らないための改善策を考える。
このように、自分の気持ちに寄り添いながら、客観的に事実をみていってください。