(第24回)トヨタを頂点とする巨大企業集団の構造

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トヨタが直接保有する系列会社とは

「持分法適用会社」とは、議決権所有比率が20%以上50%以下の関連会社である。これらについては、対象会社の持ち分割合の純資産のみを取り込む。

トヨタ自動車の場合、持分法適用会社は56社ある。ここには、デンソー、アイシン精機など、よく名を知られた部品メーカーが含まれる。これが普通いわれる「系列企業」に当たると考えられよう。これを便宜上「レベル2」と呼ぼう。

資本金規模でいうと、デンソーが飛びぬけて大きいが、左表に示した企業も、数百億円の規模である。従業員は数万人程度だ。年間売上高は、デンソーを除けば年間数千億円だ。大ざっぱにいえば、連結ベースでトヨタ自動車とデンソー以外の表に掲げた企業を比較すると、従業員数では10分の1から20分の1程度、売上高では20分の1から30分の1程度といえる。

デンソーは、トヨタ自動車の開発部門から1949年に分離独立した企業であるが、現在では世界の主要なメーカーに熱機器(冷暖房や冷却機器)、エンジン関連機器、電気・電子機器関連などを供給している。トヨタ自動車と豊田自動織機が約31%の株式を保有する。信託、金融機関を合わせた上位10株主で51%になる。

アイシン精機は、トヨタ自動車工業(当時)が43年に設立した「東海飛行機」が起源になっている。現在では、ブレーキシステムや、大容量トランスミッションを供給している。トヨタ自動車と豊田自動織機が約29%の株式を保有する。信託、金融機関を合わせた上位10株主で51%だ。

ジェイテクトは、トヨタ自動車工業から41年に分離した豊田工機とベアリングのメーカーである光洋精工が起源だ。軸受やステアリングを供給している。トヨタ自動車、デンソー、豊田自動織機が約31%の株式を保有する。信託、金融機関を合わせた上位10株主で54・46%になる。

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