(第24回)トヨタを頂点とする巨大企業集団の構造

ジェイテクトは、100%近い子会社を30社近く、その他100社を超える子会社と20社近くの持分法適用会社を持つ。従業員は、連結で3・6万人、単独で1万人だ。

小糸製作所の子会社は20社以上あるが、持分法適用関連会社は1社のみ。この点でも、右の企業とは違う。

レベル3になると、非上場会社が多くなり、関連会社や平均給与などの情報はわからない場合が多くなる。

ただし、レベル3の企業も、前回の表でいえば、「大企業」が多いことに注意が必要だ。中小企業庁の中小企業の定義にも当てはまらない場合が多いと思われる。また、多くの人が名を知る大学の卒業生が就職している。

レベル3の企業になると、親会社にほぼ完全に所有されているところが多い。例えば、アイシン精機の子会社であるアイシン軽金属は、アルミダイカスト、アルミ押出、ロール成形、機械加工などを行う会社だが、株主構成は、アイシン精機(51%)、トヨタ自動車(40%)、オールアイシン各社(計9%)となっている。

こうした資本構成を見ると、レベル3の企業は、レベル1とレベル2の企業に完全に支配されている場合が多いのではないかと考えられる。系列外企業との取引もあるだろうが、基本的には経営の基本に関する自由度はないと考えてよいだろう。

トヨタ自動車は、00年に、総原価の30%削減を目的とした「CCC21」を行った。09年12月にも、部品価格を3割以上引き下げるよう、系列部品メーカーに要請した。最近も、そうした引き下げ要求を行っていると報道されている。系列メーカーがこうした要求に逆らうのは、難しい状態と想像される。



野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)
早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授■1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省(現財務省)入省。72年米イェール大学経済学博士号取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授などを経て、2005年4月より現職。専攻はファイナンス理論、日本経済論。著書は『金融危機の本質は何か』、『「超」整理法』、『1940体制』など多数。(写真:尾形文繁)


(週刊東洋経済2011年11月26日号 撮影:今井康一)
※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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