これまで、次のことを述べてきた。
1.日本では、企業規模によって著しい賃金格差がある。
2.これは、小企業が下請けになっているためである可能性が高い。
3.日本では「小さいこと」は、自由度が高いことではなく、低いことを意味する。
以下では、このことをバランスシートの数字から見よう。
図は、2009年度末に企業が保有する資産のうち、「投資用株式」と「有形固定資産」の2項目を取り上げ、総資産に対する比率を規模別に見たものだ。
前者は、流動資産としての株式と対比されるものであり、長期に保有している株式である。投資対象企業の成長による長期的キャピタルゲインを目的とした保有もあるだろうが、大部分は、相手企業を支配するための株式保有と考えられる。後者は、土地、工場、建物、機械、店舗などであり、事業活動に直接必要とされる資産である。
トピックボードAD
有料会員限定記事
政治・経済の人気記事