話は少し前後するが2020年に中原はアイドルオーディションを受ける。
それまでテレビ、映画などのオーディションを受けつつ、あるとき、SNSで「アラフォーアイドル輝けプロジェクト!」(以下、フォティプロ)の募集を見つける。
これはアーティストで数々のアイドルをプロデュースしているつんく氏が楽曲提供を行い、アラフォーアイドルたちが集うというプロジェクトだ。
「じつは募集を見る何年か前に40歳以上でアイドルをやっている人たちはいるのだろうかと思って調べてみたことがあるんです。やっぱりアイドルに憧れているところはあったので。それですぐにこれだと思って応募しました」
コロナ禍の真っ最中。オンラインなどでのオーディションは歌などのテストはなくまるで就職の面談のようだったという。
チャンスと思いとにかく自己アピール。
面談から1週間ほどした頃、メールで合格通知が届く。
「『あっ! 本当に(アイドル)やれるんだ!』って思いました」
まさか50歳を超えた自分がアイドルをやるなんて。自身で驚くも束の間、すぐにMVをつくるための「クラウドファンディング」が始まる。
「年齢を気にしない」メンタルの持ち主
全国からメンバーが集うプロジェクトのためコロナ禍では思うようにいかず、プロジェクトはオンラインで。自身はソロアイドルとしてライブハウスを中心に活動をスタートさせる。
「私の活動を知ってくださったライブハウスなどからお声がかかりソロアイドルとして歌い始めました。季節感を大事にして80年代アイドルのカバー曲がメインですね」
ライブハウスでの対バン(1人20分程度の持ち時間で数組アーティストが出演するイベント)ではアイドルとしてはもちろん、出演者内でも年長者となる。
若いアイドルとの共演は気にならないのだろうか。
「ずうずうしいかもしれませんが自分では年齢のこと考えないんです。それが伝わるからかお客さんも共演者の方も皆さん受け入れてくれますね」
年齢のことは考えない。
だから「この歳でアイドルなのか」というようなアンチの意見もまったく気にならないという。
このメンタルこそが中原の強みなのだと感じる考え方である。
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