親友ができない男性が囚われる「男らしさ」の呪縛 男友達の「悩み」をあなたは知っていますか?

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ワシントン・ポスト紙の記事「No Game Days. No Bars. The Pandemic Is Forcing Some Men to Realize They Need Deeper Friendships」(試合もない。バーもない。パンデミックで一部男性が気づかされた、深い友情の必要性)に登場した男性、マニー・アルゲタもまた、悩みは男友達にバカにされる、という決めつけに異論を唱えます。

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マニーはそれまで、男友達とは主にバーに行ったり、スポーツ観戦したりといった、浅い友情でつながっていました。しかしコロナ禍や恋人との別れを経験し、セラピーを受けたマニーはついに、男友達に悩みを打ち明けました。

こき下ろされるかと思っていましたが、どんな別れだったか、その後どんな気分か、など友達は質問してくれました。

マニーの経験は、男性がもろさをさらけ出せる場所は存在するものの、そこを見つけるにはリスクが伴うことを物語っています。もろくいられるような友情がほしいと考える男性は、恐らく自分からもろさを見せていく必要があるでしょう。

欧米での男らしさを考えると、いかに「もろさを見せないこと」が深く染みついているかを考えれば、友達が先にもろさを見せてくれるのを待っていたら、恐らく待ちくたびれてしまいます。いつもよりほんの少しもろさを見せて、反応をうかがってみましょう。

他者を支配する人は、親しい人間関係に満足していない

多くの男性が、支配では幸せになれないことに気づいています。ある研究では実際に、他者を支配する人は、平等な人間関係を築く人と比べて、親しい人間関係にそこまで満足していないことが証明されています。

もろさを支配で覆い隠さないとき、男性は一見してパワーとはわからないパワーを手にします。それは、人を愛し、人とつながることができるパワーです。

書籍『だれかに、話を聞いてもらったほうがいいんじゃない?』(海と月社)の著者であり、セラピストでもあるロリ・ゴットリーブは、こう話します。

「要求が多く、批判的で、怒りっぽい人は、強烈な孤独を抱えがちです。こうした行動を取る人は、自分を見てもらいたいと思いつつ、同時に、見られることを極度に恐れてもいます」

自分を強く見せようともろさを隠していたら、本当の自分をきちんと知ることはできません。自分を持ち上げようと相手を必死に抑えつけていたら、相手をきちんと知ることはできません。

俳優のテリー・クルーズはこれをこう表現しています。

「誰かを愛しながら同時に支配などできません」

マリサ・G・フランコ 心理学者、フレンドシップ専門家

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まりさ・じー・ふらんこ / Marisa G. Franco

メリーランド大学でカウンセリング心理学の博士号を取得。現在、同大学で教授として勤務するかたわら、心理学に特化したメディアPsychology Today(サイコロジートゥデイ)に寄稿している。また、心理学者としてNew York Times紙、NPR(アメリカ公共ラジオ放送)などへのメディア出演や、全米の企業や大学、非営利団体での人間関係に関する講演なども行っている。

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松丸 さとみ 翻訳者・ライター

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まつまる さとみ / Satomi Matsumaru

学生や日系企業駐在員としてイギリスで6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて翻訳・ライティングを行なっている。訳書に『LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる』や『感情戦略』(いずれも日経BP)、『マンガで読むジェンダー入門』(いそっぷ社)などがある。

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