3週間で完売「未来のレモンサワー」再販までの道 世界初レモンスライスを入れた缶チューハイ
「商品化において次の課題となったのがレモンの供給体制。口に入れるものなので、収穫後に薬剤を使用しないレモンを安定供給できる産地を探すところから始まった」
最終的に選ばれたレモンの産地は中国四川省。収穫されたレモンは選別のうえ、規定の厚みにカット、液糖づけ、乾燥。山口県の協力工場に運ばれて缶詰めが行われる。レモンスライスを缶に充填するためのロボット「パラレルリンクロボット」をアサヒビールにおいて独自開発し、工場のラインに組み込んだそうだ。
原料供給と生産ラインの拡大が今後の課題
商品が完成するまでに、関わったのは総勢80名。3年半という、過去に例を見ない期間がかかった。
「缶の飲料にレモンを浮かべる」という、素人なら簡単に思いつくであろうアイデアの実現は、飲料のプロにとってそこまで高いハードルだったのだ。
しかし発売後の実績は予想を上回り、反響も苦労に報いるものだったようだ。
「サワーを普段飲んでいる人だけでなく、ビールをメインに飲んでいる人も購入してくれている。新しいジャンルのお酒という見方をされている感じもある」
発売1カ月のうちにほぼ売り切れになったのは、人気が高かったこともあるが、現在のところ供給や生産体制に限界があり、追加販売ができないため。8月27日に再販されたが、1都9県の地域限定で、販売量も1回目と同じ程度とのことだ。
「原料供給と生産ラインの拡大が今後の課題。来年、再来年あたりの実現を目指す」
これまでのシリーズや競合他社では、レモンが当たればグレープフルーツ、という具合に他のフルーツに広がっていく傾向がある。しかし未来のレモンサワーにおいては他のフルーツのバリエーションは考えていないそうだ。
確かに、未来のレモンサワーの特徴は、これまで誰も実現できなかった新機軸にある。従来のように横に展開していくと、軸がぶれてしまうだろう。
未来のレモンサワーの発売により、レモンサワー市場の競争が1つ上の階層に上がったような感がある。他社が続くのか、それともまた別の新たな発想が生まれるのか、期待が高まる。
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