能登半島地震の「その後」…現地を歩いて見えた事 「自分たちの街でも起きるかもしれない」

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珠洲市は、廃墟のようになった地区ときれいな地区の差がかなりあった。店の再開も少しずつ増えている。写真はランチで行った「かふぇれすとらん きへえどん」のおむすび膳。同店はメニューも豊富(写真:筆者撮影)

能登半島地震を過去にしないでほしい

実際に能登に行って、さらに国や県の支援について調べてみて感じたのは、「国や県の復旧・復興支援は進められてはいるが、被害の大きさもあって全く追いついていない。人手も足りない」という現実でした。ただ、復旧の進行と共に、必要な支援の内容は初期とは変わりつつあるようです。

ボランティアでいま必要とされているものは、長期から短期、無償から有償のものまでさまざま。引っ越し手伝いや、家財片付け手伝い、農業手伝い(雇っていた人が避難してしまい人手不足で困っている。1年以上、田んぼを放っておくと復帰にもそうとう時間がかかってしまう)、店舗手伝い(同じく、雇っていた人が避難してしまい人手不足)、イベント手伝い、炊き出しなどがあるようです。肉体労働だけではなく、女性ができる室内の作業もあり、環境のいい無料宿泊施設も整いつつあります。その詳しい募集状況や宿泊施設については、以下に、公式のものと、地元の方やボランティアの方にオススメされたものをまとめてみました。

全社協の能登半島地震特設ページ
石川県の農林水産業ボランティア募集ページ
TEAM JAPAN(全国の災害支援をしてきたつながりから発足した団体)
災害支援NPOありんこ(支援者と被災者という枠組みを超えて、地元の人と行動する団体)
のと復耕ラボ(輪島市を中心に能登の里山らしい復興を目指す団体)
ボラキャンすず(珠洲市でのボランティア滞在拠点)
とやま311ネット(富山県の後方支援団体)
また、マンガに登場した東さんが主催するLINEオープンチャット「全国災害ボランティア共有チャット」も500人以上が集い、現地での細かい情報が飛び交っています。

ボランティア、私も少し体験しましたが、全国から多様な人が集まり、なごやかで明るいムードでした。連休がとれるとやってくる常連ボランティアさんも大勢いるようです。中学生以上のお子さんと一緒にボランティア参加している知人もいます。

まずは現地の様子を視察したい、という方には、復興支援ガイドツアーもオススメ。私も珠洲ではこちらを利用させていただきました。形はともかく「能登を見て知ってほしい」「能登半島地震を過去にしないでほしい」は、多くの地元の人の願いだと感じました。

さて、こんな状況の中で私が気になったのは子連れ家族のことです。次回は、「震災後に、遠方にニ次避難した家族」について紹介します。

ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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