来年あたり、ハゲタカのターゲットになって日中発の恐慌が起きるかもしれない--葉田順治・エレコム社長(第1回)

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 でも、急ブレーキ、急発進には、社内も慣れっこですし(笑)、このやり方で今までだいたいハズレはありません。
 
 1997年ごろにも、300億円以上の売り上げがあったメモリストレージ事業を一気に半分へと切ったことがありますからね。当時、PC周辺機器は赤字だったんですよ。PCは成長していたので、コアなPCアクセサリーとデバイス事業に集中すれば何とか会社を立て直せるかなと思ってストレージ事業をぶった切ったんです。
 
 この決断によって70億円くらいの損を出しました。銀行にも毎回決済日に「日繰り」を持って行くような状態でしたが、この事業を抱えたままでいたらとっくに倒産していましたね。

今、好業績とか収益率が高いとか言っていただいてますが、あくまでそれは結果です。何年か前の戦略転向や努力が奏功しているだけで、すべて過去のこと。過去には興味がありません。つねに未来を予測し、一天にわかにかき曇るようなシミが現れたらすぐに対応する。僕はそういう意味でとても慎重な経営者なんですよ。

はだ・じゅんじ
1953年三重県熊野市出身。甲南大学経営学部卒業。1986年エレコムを創業、2006年に同社を上場させる。パソコン周辺機器を中心に年商600億円規模の企業に育てる。大阪本社。

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