■インドネシアの若者が狂喜する日本のベンチャーブランド
ファストファッションの店舗に行くと、筆者は密かな楽しみ方をしている。商品のタグに書いてある生産国を確認するのだ。ZARA、H&M、フォーエバー21、トップショップなどの海外勢の商品を見ると面白い。バングラデシュ、ベトナムなどの東南アジア。ギリシャ、ポーランドなどの欧州。実に多彩だ。比べてみると、ユニクロはまだまだ中国製がほとんどであることにも気付く。
消費者が信頼しているのは、ブランドや企業であって、その品がどの国で生産されていようと、大抵の人は気にしないだろう(テレビの亀山モデルなどもちろん例外はあるが)。”American components, Russian components, all made in Taiwan!!”と、映画『アルマゲドン』のロシア人宇宙飛行士も叫んでいた。アメリカの最先端の宇宙船のことなんてロシア人のお前にはわからないだろうと言われ、ぶちぎれたのであった。
しかし、ここ数年、なんだか変わった風も吹き始めている。「Made in Japan」。すなわち、日本国内で生産されていることが、どうも付加価値になっているらしい。しかも、基本的にどこで作っても変わらないだろうと思われる、アパレル業界である。
11月4日付の日経MJに、日本国内生産にこだわっているベンチャー企業が紹介されている。エスワンオー(東京・目黒)。ブランド名は「サティスファクション・ギャランティード(sg)」。主な購入客は日本人ではない。「フェイスブックの登録ファン数は64万人に達し国内企業で2位」「ファンの97%がインドネシアやインドなどアジアの若者」だという。国内の実店舗は「東京・渋谷と代官山の2店舗しかない」という堂々たるネット企業である。
それもそのはず。エスワンオー、実は2006年にネット広告の代理店として創業した。社長はネット広告会社に属していたこともある。そういう背景もあってか、同社は、流行りのSNS(フェイスブック)を使って、極めてローコスト、ローリスクで、グローバルに認知を広げた例としてメディアで紹介されることが多い。(その過程に関心のあるかたは、ググッてみてほしい)
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