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TSMC「アメリカ新工場」まだ稼働していない事情 文化の違いで「台湾式」の移植に大苦戦中

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足場と建設用クレーンに囲まれた製造施設は、フェニックス北部の紛れもないランドマークとなっている。TSMCは、台湾南部の台南市にある巨大なキャンパスを模して、敷地内に3つの工場を建設する計画を発表。銀色をした宇宙船のような建物の第1工場はほぼ完成し、試験運転が始まっている。

工場を建設している間、TSMCはアメリカ人エンジニアを研修のため台南に送り、台湾人エンジニアの下で仕事を学ばせ、TSMCの全員参加型の仕事ぶりを間近で観察させた。

カリフォルニア大学サンディエゴ校で修士号を取得したばかりだったエンジニア、ジェファーソン・パッツは2021年、入社してすぐ18カ月間の研修のため台南に赴いた。

「衝撃のハードワークだ」。パッツはこうした最初の印象で、半導体業界で成功するために何が必要かを強く感じたと振り返った。

フル生産で訪れる本当の試練

アリゾナに戻ると、職務外の仕事もガンガンこなすことが従業員に期待されていた、とパッツは語った。工場の建設が予定どおりに進んでいなかったためだ。

こうしたアプローチは、すべての人に受け入れられるものではなかった。従業員は差し迫った課題を終わらせるために何でもすることが求められた、とパッツ。アメリカ人従業員の中には、台湾で長期間過ごすのが難しいと感じる人もいた。

アメリカ人従業員と台湾人管理職の間の緊張に対処するため、同社は管理職にコミュニケーション研修を実施。不必要な会議に対する苦情が従業員から寄せられていたため、同社は会議の頻度と参加者の数を減らした。

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