米国で中毒者続出「ソウルサイクル」って何? ファンを熱狂させるレッスンの「中身」

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(写真:Joshua Bright/The New York Times)

新規株式公開(IPO)を前にしたしゃれた新興企業の財務諸表を見ると、たいていは急成長してはいるものの利益はほとんど上がっていない。つまり投資家は、会社の将来性だけをひたすら信じ、今の右肩上がりの人気がこの先の持続的な黒字につながるほうに賭けてくれと言われているようなものだ。

だがソウルサイクル社の場合、その将来性にはかなりの現実味がある。

高級ジムを展開するソウルサイクル

ソウルサイクルは7つの州と首都ワシントンの計47カ所でフィットネスバイクを使ったエクササイズを行う高級ジムを展開する新興企業だ。同社は7月30日に米証券取引委員会(SEC)にIPOを申請したが、その申請書類によればすでに立派な黒字経営を行っている。昨年の売り上げは1億1200万ドルで、利益は2500万ドル。つまり利益率は23%にも達する。

短文投稿サイトのツイッターが一般的な物差しではいまだに赤字を垂れ流しているのと違い、ソウルサイクルは上場以前に収益モデルを確立したわけだ。

あるレベルで言えば、ソウルサイクルがこれほど儲かっている理由は明白だ。ニューヨーク市内の店舗だと、1回のレッスン料は35ドル。回数券割引を使えば28ドルくらいだ(別途、自転車のペダルに固定できる靴のレンタル代が3ドルかかる)。つまり定員(60人)が埋まれば、同社には1回のレッスンで約2000ドルが転がり込んでくる計算となる。ひとつのスタジオで実施できるレッスン数は1日あたり9レッスンだ。

すべてのレッスンが満員になるわけではないし、ニューヨーク市以外の場所での料金はこれよりも多少は安い。それでも1レッスンあたりの平均売上は昨年の数字で1153ドルだというから結構な額だ。ちなみに昨年1年間に同社では計8万1317回のレッスンを行った。

数字を見ている限り、ソウルサイクルの利益率は大したものだ。同社が儲かるビジネスモデルを見つけたのだとしたら、ライバル各社もこぞっておしゃれなバイク専門ジム事業に参入し、価格で勝負してくるのは目に見えている。

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