米国で中毒者続出「ソウルサイクル」って何? ファンを熱狂させるレッスンの「中身」

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「コンピュータの前に座りっぱなしの長い1日のあとに、気持ちをすっきりさせるための何より確実で場合によっては唯一の方法だ」と、ブルックリンに本拠を置くフリージャーナリストのレイチェル・ニュワーは言う。彼女は週に3〜4回、ソウルサイクルを利用するという。

トレーダーのエリ・ラドキはシカゴのソウルサイクルにときおり通っている。「不思議なくらいセクシーな」体験ができると言う。

ほかのスポーツクラブでは得られない体験

こうしたファンの感想には、リブキン教授の言う「持続可能な強み」の1つ目と3つ目が含まれている。ソウルサイクルというブランドは、ほかのフィットネスクラブでは得られない超越的な経験と強く結びついている。そうした経験をよそで再現することは容易ではない。と言うのも、ステージ上のインストラクターの前にロウソクを何本か飾ったくらいでは、エクササイズは人間的成長への道だと客に思いこませたりはできないからだ。

ソウルサイクルの影響で類似の金持ち向けバイクエクササイズを始めたフィットネスクラブはいくつもある。だがどこも、ドレイファスが(いい意味で)言うソウルサイクルの「ヒッピー的なモットー」までは真似していないのは多くを物語っているのかも知れない。

最新鋭の機材を入れ、競争精神を前面に押し出しているフィットネスクラブもある。最も頑張っている参加者の名前を画面上に表示したり——。

「エクササイズで他人と競争したいとは思わない」と語るのは、ワシントンの弁護士キャサリン・ペティだ。ペティはソウルサイクルに週3回通っている。「自己陶冶だけに集中したい。それこそがソウルサイクルで重視されていることだ」

自己陶冶という考え方は、IPOの申請書類にも登場する。曰く「(ソウルサイクルは)年齢や運動能力、体格、スタイル、職業、個性もさまざまな人々が、自分の理想像に出会うために訪れる場所だ」

ソウルサイクルに厳しい目を向ける人々は、こうした表現を取り上げて「カルト」のようだと言う。だがリピーター客がカルト信者化していると言うことは、取りも直さず顧客からの強い愛着という、持続可能な競争力をもっていると言うことかも知れない。

(執筆:Josh Barro記者、翻訳:村井裕美)

© 2015 New York Times News Service
 

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