葉っぱアート「88万円」"目利き"が語る価格の根拠 販売を渋っていた作家、「これが最後」と承諾

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加藤大貴さんとリトさん
博多阪急 ライフスタイル営業部 リビングフロアマネージャー・バイヤーの加藤大貴さん(右)と、葉っぱ切り絵アーティスト・リトさん(画像:リト@葉っぱ切り絵提供)

なぜなら新年の企画展のテーマが“幸せ百貨展”だったから。リトさんの葉っぱ切り絵作品は、見た誰もを幸せな気持ちにしてくれますよね。ぴったりだと思って、DMでご連絡したのです。

その時のリトさんはまだ、フォロワーも1万人足らずのいわば無名の存在でした。でも、僕が展覧会の企画を考えるときに大切にしているのは、「子どもから大人まで楽しめること」。

どんな大人も昔は子どもだったわけで、子どもだった頃のことが思い起こされるようなリトさんの作品は、多くのお客様に喜ばれるに違いないと思ったんです。

葉っぱのアートにいくらの値段をつけるか?

では「葉っぱ切り絵作品をいくらで販売するのか?」というのが次の問題でした。

リトさんはそれまで、SNSのフォロワーから作品のオーダーがあった時、2万円ほどで直接販売していたそうです。会社勤めをやめていたリトさんにとって、それは貴重な収入源だったのでしょう。

初期の代表作品「葉っぱのアクアリウム」
初期の代表作品「葉っぱのアクアリウム」(画像:リト@葉っぱ切り絵instagaramより)

ただ僕はリトさんに、あれだけの緻密さがあって、人を感動させる力のある作品が2万円というのは安すぎる、と言ったんです。それで、1点5万5000円から6万6000円の値を付けさせてもらいました。

リトさんは、「そんなに値段を上げてしまって売れますか!?」と半信半疑だったようです。僕としてはこれでも控えめな値付けだったのですが。

リトさんは「そもそも、無名の僕なんかの個展に人が見にきてくれるでしょうか?」と不安そうでしたが、そんな心配は必要ありませんでした。

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