「医療・介護」関連4機種を発表、一歩前進したトヨタ自動車のロボット戦略

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国内の脳卒中患者は年間2.5万人にのぼる。また、トヨタでは高齢化の進展により歩行が不自由な人の増加ピッチは上がると見ており、自立歩行アシストなど医療・介護ロボットのニーズは今後いっそう高まると考えている。現在のところ、いずれのロボットも価格は未定。トヨタ単独でこの事業を進めていくのか、パートナーとなる企業を探すのかも検討中だ。

同社は「介護・医療支援」「パーソナル移動支援」「製造・ものづくり」「家事支援」の4分野でロボット開発を進めている。今回の発表で、「家事支援」をのぞいてプロトタイプは出そろったことになる。事業化のネックとなるのは。こうしたロボットに関する公的な安全基準がまだないことだ。

工場内で使うのと違い、生活空間の中でロボットを動かすには、利用者だけでなく周囲の人間にも危険を及ぼさないためのルールが必要だ。現在、ISOなどでその基準作りが進んでいる。まったく新しい分野だけに、定着させるには、ロボットを使うことのメリットとリスクが広く社会で認知されることが欠かせない。使用に当たって専門家が介在する「医療・介護」という領域は、そのスタート地点としては適当なのだろう。

(撮影:今井康一 =東洋経済オンライン)

西村 豪太 東洋経済 コラムニスト

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にしむら ごうた / Gota Nishimura

1992年に東洋経済新報社入社。2016年10月から2018年末まで、また2020年10月から2022年3月の二度にわたり『週刊東洋経済』編集長。現在は同社コラムニスト。2004年から2005年まで北京で中国社会科学院日本研究所客員研究員。著書に『米中経済戦争』(東洋経済新報社)。

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