「ご破算」となった日経平均は今後どうなるのか カギ握る3つの上昇エンジンと3つの不透明要因

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最後、第6の不透明要因は、アメリカの大統領選の行方だ。7月13日にドナルド・トランプ前大統領(78)が東部ペンシルベニア州で演説中に銃撃を受け、右耳を負傷した事件は生々しい。すでに野党の共和党は翌々日の15日に同氏を正式に大統領候補に決定した。伴走者となる副大統領候補もJ・D・バンス上院議員(39)に決まった。銃撃事件で党内の結束が固まるなか、大統領選への体制が固まった。

一方、与党の民主党では現職のジョー・バイデン大統領が党の候補指名を辞退し、選挙戦から撤退すると表明、後継候補にカマラ・ハリス副大統領(60)を支持すると明らかにした。同党でも副大統領候補にミネソタ州のティム・ウォルズ知事が決定したことで、11月5日の投票日までの約100日のタイミングで、選挙戦の構図が一変した。

日経平均は「戻り売り」方針、「割安株投資」で守備固め

大統領選の行方を決め打ちすることはできない。今後の日程は、8月19~22日に民主党全国大会(イリノイ州シカゴ)や、大統領候補討論会(日程と主催:9月4日FOXニュース、同月10日ABCテレビ、同月25日NBCテレビ)が予定されており、全米の有権者が視聴するこれらの討論会は選挙戦の行方を占う大一番になると報道されている。

投資家としては、どちらの候補が勝ってもいいような投資戦略を立て、柔軟に対応したい。なぜなら、物色対象(業種や個別銘柄)が大きく変わる可能性があるからだ。個人的な立場としては、私は、当面のスタンスとしては日経平均は「押し目買い」ではなく、「戻り売り」で対処するスタンスでいたいところだ。

また、金融資産を保全するために、株式とは反対に動く金融商品も組み入れたい。

一時的に安全資産にシフトするのもありだろう。もし、新規の投資をしたいのであれば、割高な成長(グロース)株に投資するよりも、ディフェンシブ(景気に左右されず安定的な収益を上げる、借金の少ない会社)かつバリュー株(PBRなどの指標で見た割安株)投資への比重を高め、「守りのポートフォリオ」を時間をかけてゆっくり構築していきたい。

糸島 孝俊 株式ストラテジスト

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いとしま たかとし / Takatoshi Itoshima

ピクテ・ジャパン株式会社投資戦略部ストラテジスト。シンクタンクのアナリストを経て、日系大手運用会社やヘッジファンドなどのファンドマネジャーに従事。運用経験通算21年。最優秀ファンド賞3回・優秀ファンド賞2回の受賞歴を誇る日本株ファンドの運用経験を持つ。ピクテではストラテジストとして国内中心に主要国株式までカバー。日経CNBC「昼エクスプレス」は隔週月曜日、テレビ東京「Newsモーニングサテライト」、BSテレビ東京「NIKKEI NEWS NEXT」、ストックボイス、ラジオNIKKEIなどにも出演中。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

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