「ご破算」となった日経平均は今後どうなるのか カギ握る3つの上昇エンジンと3つの不透明要因

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短期的に見ても、8月6日からの株価急反発はそろそろ戻りの限界に近づいており、2番底リスクに注意したい。私は今年の日経平均の高値は7月11日の4万2224円02銭で決まった可能性が高いとみる。

さらなる「3つの不透明要因」も

もし上記の3つの上昇エンジンが再稼働するなら、もう一度年内に高値圏を目指す展開を期待できるかもしれない。だがその可能性は低いそうだ。しかも上記の3つのエンジンとは別に、不透明要因が多いことも、株価の上値を重くする可能性がある。以下4~6番目の要因として列挙しよう。

第4は「アメリカ景気の悪化懸念」だ。前述のとおり、8月5日は日本株は日経平均が1日としては過去最大の下落幅、日本株全体でなんと約800社がストップ安という異例な急落となったが、これはアメリカの景気が悪化するとの懸念から、ドル安円高が進むたびに日本株が下げ幅を拡大するという「共振」がおこったためだ。

現在、アメリカでは前提とされてきた「ソフトランディング(軟着陸)」のシナリオから一転、ハードランディング(景気後退)まで意識する投資家が一気に増えている。

すでにFRB(連邦準備制度理事会)による大幅利下げ(0.5%利下げ、しかも複数回)の観測も急浮上している。今後は、8月22~24日のワイオミング州ジャクソンホールでのFRB議長講演や9月6日の雇用統計、9月11日のCPI(消費者物価指数)、9月17~18日のFOMCまで、しっかり同国のイベントや指標の内容を確認していきたい。

第5は「地政学的リスク」だ。改めて地政学的リスクとは、特定地域が抱える政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりが、地理的な位置関係によって、その地域や関係地域の経済、世界経済全体の先行きを不透明にしたり、株価や原油など特定の商品の価値を変動させるリスクのことだ。

ウクライナとロシアをめぐる情勢、イスラエルとハマス(イラン)間の深刻な対立は、関係各国などによる停戦交渉への努力で落ち着きを取り戻すことを期待したいが、引き続き注意すべきだ。

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