太陽光、「九電ショック後」の生き残り策は? 電池各社が2つの戦略で激突

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

パナソニックの2014年度のモジュール販売量は約840MW。今年3月には島根と滋賀の工場を増強し、生産能力は従来の900MWから1GW(1000MW)に拡大した。今後も独自開発の蓄電池を含め、住宅向け中心に需要開拓を図っていく。

2014年のモジュール販売量が約2.4GWで世界4位のジンコソーラー。中国に本拠地を構える同社は、日本国内では昨年の販売量が約200MWだったが、15年は倍増を狙う。これまではほぼ100%を産業用が占めてきたが、住宅用のウエートを半分程度まで拡大していく方針だ。

「日本では後発なので、身の丈経営でいたずらに規模は追わない」と話すジンコソーラーの浅野社長

「日本企業との提携を水面下で交渉中にあり、年内には住宅用への本格参入を果たしたい」と、日本法人ジンコソーラージャパンの浅野晃弘社長は語る。新築住宅向け太陽光発電システムに搭載する太陽電池モジュールのOEM(相手先ブランドの製品を製造受託すること)などを想定しているようだ。

同社はメインの中国工場の増強や、マレーシア工場の新設などを通じ、アジア太平洋市場の開拓を戦略の柱としている。日本市場についても「メガソーラーは縮小するが、住宅用については省エネを切り口にHEMSによるシステム化で市場が伸びる。当社としてはモジュール販売に徹し、太陽光の普及を進めたい」(浅野氏)という。

かつての首位サンテックも住宅狙う

同じく中国系のサンテックパワー。かつては販売量世界トップだったが、欧米ダンピング課税や欧州債務危機を機に過剰な外需依存と生産能力がアダになり、2013年3月に経営破綻。その後、2014年4月に中国の順風光電国際グループが事業を承継し、再建中にある。日本での販売量は年間300~400MWで、住宅向けが2~3割という。

今後は「新築住宅でのシェア向上を通じ、採算性を上げたい」と、日本法人サンテックパワージャパンの岸智樹・セールス本部グループマネージャーは話す。展示ブースでは主に、屋根材と一体化したスタイリッシュな外観の太陽電池モジュール(ミサワホームと共同開発)などを紹介していた。

次ページ海外を重視する企業も
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事