太陽光、「九電ショック後」の生き残り策は?

電池各社が2つの戦略で激突

昨年の太陽電池出荷量で国内トップのシャープ。同社の太陽電池を柱としたエネルギーソリューション事業の今年4~6月期の営業損益は、産業用をはじめ国内市況の低迷で、39億円の赤字と苦戦を強いられている。その立て直し策と位置付けるのが、住宅用太陽光発電システムの販売強化、蓄電池などへの展開強化だ。

新開発の直流エアコンなどをアピールするシャープ

同社が展示場で目玉としたのが、交流(AC)と直流(DC)のどちらの電流も受けられる業界初のハイブリッド型エアコン。通常、太陽光発電が生む直流の電流を使ってエアコンを動かす場合、パワーコンディショナー(パワコン)で交流に変換する必要があるが、このエアコンは直流のままでも使える。電流の変換ロスがなくなることで、約5%の省エネ効果があるという。同社は蓄電池とセットにしたHEMSのシステムとして年内に発売する方針だ。同時に、新開発したモジュール変換効率19.1%の住宅用単結晶太陽電池モジュールを積極投入していく。

東芝は、20.1%と世界トップクラスの変換効率を誇る米国サンパワー社製の太陽電池モジュールが武器だ。国内での昨年の販売量は500~600メガワット(MW)で、住宅向けは2~3割。今後は新築住宅向け中心に自社製造の蓄電池とのセット販売に力を注ぐ。ハウスメーカー数社とも提携している。

パナは保証や特典充実

パナソニックはグループ会社にパナホームを擁していることもあり、従来から住宅向け太陽電池に強い。現在でも住宅向けが国内販売量全体の約85%を占める。そのため、業績も比較的底堅い。住宅用のモジュール変換効率が19.5%と高いことも売りで「屋根面積が小さい住宅は、発電効率が高い特性をより生かしやすい」(同社マーケティング広報担当の市場こずえ氏)。

同社が展示ブースで実演紹介していたのが、モジュール設置の新工法。金具を工夫したことで、現工法に比べ設置工事の時間を半減できるという。また、従来20年だった出力保証と15年だった機器保証をいずれも25年に延長。住宅向けの地盤を一層強化する狙いだ。

東京、中部、関西の各電力管内以外では、住宅用も含めて太陽光が出力制御(送電網の接続可能量を超えないように各電力企業がとる措置)の対象となったが、実際にどの程度、制限がかかるかは読めない状況にある。そこで今後10年間、出力制限があった場合、初回に限り、最大10万円の一時金を支給する特典も付けた。

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