「WR-V対ヴェゼル」ホンダSUV似て非なる価値観 同じコンパクトSUVながらターゲットが異なる

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ほかにも、両モデルともに、高速道路などで、設定した車間距離を自動で維持しながら前車を追従する「ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)」を備える。ヴェゼルe:HEVのACCは渋滞追従機能付きで、渋滞時に前車が止まると自車も自動停止し、再発進すれば追従の再開も可能だ。一方、WR-VのACCは、車速が25km/h未満になったときに機能が自動で解除される。渋滞路などを想定した先進機能を持つ点でも、ヴェゼルe:HEVのほうがより充実している。

なお、両モデルの燃費性能は、ヴェゼルe:HEVがWLTCモード値21.2~26.0km/L。対するWR-Vは、WLTCモード値16.2~16.4km/Lだ。最新のハイブリッドシステムを採用しているだけあり、やはり燃費性能はヴェゼルe:HEVのほうが上だ。ただし、ヴェゼルでも、1.5Lガソリン・4WDのGグレードはWLTCモード値15.0km/L。FFのみの設定であることもあるが、同じガソリン車で比較すれば、WR-Vのほうがいい。

後席や荷室の使いやすさ

WR-Vの後席
WR-Vの後席(写真:三木宏章)

室内サイズは、WR-VのZグレードで、長さ1955mm×幅1460mm×高さ1280mm。対して、ヴェゼルe:HEVは長さ2020mm×幅1445mm×高さ1225mmだ。長さはヴェゼルe:HEVのほうがあるが、幅や高さではWR-Vのほうが余裕がある。とくにWR-Vは、より高い天井により、全席でヴェゼルe:HEV以上の広々とした開放感を味わえる。また、後席の足元スペースも、より余裕があるのはWR-V。さらに厚めの座面により、後席の快適性が高いのもWR-Vのほうだ。

ちなみに、WR-Vの海外仕様となるエレベイトが販売されているインドでは、オーナーが運転手付きで後席に座るケースも多いと聞く。つまり、現地では高級車としてのポジションなのだ。そうした背景もあり、WR-Vは、より後席の座り心地を追求して開発されたモデルだといえる。

ヴェゼルの後席
ヴェゼルの後席(写真:三木宏章)

荷室については、WR-Vは、後席の背もたれを起こした5名乗車時でも、458Lというクラストップレベルのスペースを確保する。ただし、6:4分割式の後席は、左右の背もたれをすべて倒してもフラットにはならない。座面と背もたれの厚みが段差となってしまうからだ。

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