そうしたシーンでは、ヴェゼルe:HEVも、ハイブリッドモードに切り替わりエンジンが始動するが、さほどうるさく感じられない。ホンダの開発者によれば、新型ヴェゼルは、「ダッシュボードやルーフ、フロアの各遮音材と防音材を厚くし、配置も最適化した」という。その効果もあるのだろう、市街地走行時の静粛性という意味では、ヴェゼルのほうに軍配が上がる。
さらにヴェゼルe:HEVには、アクセルオフ時の減速感を4段階で調整できる減速セレクターや、しっかりとした減速となるBレンジを備える。これにより、アクセルのオン・オフだけで速度調整する、いわゆるワンペダル操作も可能だ。長い下り坂やストップ&ゴーの続く渋滞路などで、頻繁にブレーキペダルを踏む必要がない。WR-Vにも、ステアリングの左右にパドルシフトを備え、マニュアル車感覚のシフトチェンジが可能。だが、さすがにワンペダル操作まではできない。ロングドライブなどで、より疲労軽減が期待できる機能を持つのは、ヴェゼルe:HEVのほうではないだろうか。
高速道路での走り
高速道路の巡航でも、両モデルともに、直進安定性が高く、スムーズな走りを味わえる。また、タイヤから発するロードノイズなどもあまり聞こえず、静粛性も高い。とくにヴェゼルe:HEVは、エンジンの動力で走行するエンジンモード時にモーターが動力をアシストする領域を拡大。これにより、回転数をあまり上げずにエンジンのみで走るシーンを増やし、さらに静粛性が向上している。
WR-Vも、例えば、平坦な道路を走る際は静かなのだが、上り勾配などエンジンの回転が上がるシーンでは、ヴェゼルe:HEVほど静かではない。そのぶん、搭載する1.5L・i-VTECエンジンの心地よい排気音などを味わえるのだが、その点は、好みの問題だといえるだろう。
また、高速道路の合流路などにあるコーナーなどでは、WR-Vのほうがロール(車体が外側に傾く現象)もやや大きい感じだ。ヴェゼルe:HEVと比べ、車高が高く、サスペンションもよりソフトな味付けであるためだろう。そのため、走行中の安定性が高く、助手席や後席の乗員が乗り物酔いをしづらいのは、ヴェゼルe:HEVのほうだといえる。
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