外観は、クーペのような流麗で都会的シルエットのヴェゼルに対し、オフロード4WD車のようなタフで分厚いボディのWR-Vといった違いがある。
ただし、ヴェゼルも4月のマイナーチェンジで、e:HEVの中級グレード「X」をベースに、アウトドアテイストを加味した「e:HEV Xハント(HuNT)パッケージ」を追加している。外装の特徴は、ルーフレールや17インチの専用アルミホイール、カッパー・メタリック塗装のフォグライトガーニッシュなど。また、内装には、カーキ&ネイビーの専用カラーを施したプライムスムース(合成皮革)×ファブリックのコンビシートを装備し、内外装にアクティブな雰囲気を演出している。
このグレードであれば、ワイルドなイメージのWR-Vと、外観的にも十分に比較対象となるはずだ。そこで今回は、ヴェゼルe:HEV XハントパッケージのFF(前輪駆動)車と、WR-Vでも中級グレードとなる「Z」の比較試乗を行ってみた。
なお、各車の価格(税込み)は、ヴェゼルe:HEV Xハントパッケージ・FFで299万8600円。対するWR-VのZグレードが234万9600円。約65万円の価格差が両モデルの走りや装備など、どのように反映されているのかも気になるところだ。
運転席の座り心地・視界
ドライビングポジションは、WR-Vのほうがヒップポイントは高くSUV的感覚。対するヴェゼルe:HEVは、セダン的でスポーティな着座姿勢となる。両モデルともに水平基調のインパネなどにより、広い前方視界を確保する。ただし、WR-Vは、運転席に座ると、車体が実際のサイズよりも大きく、ワイドに見える印象だ。これは、ボンネットフード左右に大きめの膨らみがあり、それが視界に入ることが要因だろう。
その点、ヴェゼルの前方視界は、WR-Vのような重圧感がなく、コンパクトSUVらしく、気軽に運転できる印象だ。ノーズが長いのも気にならないし、細い路地でのUターンなどでは、かえって先端の感覚をつかみやすいくらいだ。その点でWR-Vは、せまい路地を通るときなどに、慣れないとノーズを壁などにヒットしないか気になる。ただし、WR-Vは、トヨタの「RAV4」など、ひとクラス上のSUVに乗っているような感覚を味わえる。クルマから降りて車体を見れば、コンパクトSUVのサイズ感なのだが、乗っている際は、より高級感も味わえるクルマだといえる。
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