「手術or抗がん剤」医師はどうやって決めるのか 意思決定が「致命的なミス」になり得る外科医

試験でのカンニングの誘惑
悪の誘惑というものは、まったく困ったことに、生きていく上でたくさんある。まるで大きな落とし穴がたくさん掘られた草っ原を、歩いているようなものだ。しかもその落とし穴は、ちゃんと覆いで隠されて、上に草まで乗せられていて、パッと見ただけでは落とし穴かどうかわからないこともあるのだ。
試験中に他の人の解答用紙を見る。これはカンニングといって、誰に聞いても明らかな不正である。つまり、ハッキリした落とし穴である。
僕は、こともあろうにこの大きな落とし穴に自分から落ちかけたことがある。冷静になって考えれば、落ちて良いことなどあるはずもない。それでも、ズルをしてでも、合格したい気持ちが強かった僕は、危なく落とし穴に落ちるところであった。
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