都心で超狭2LDKマンション大ヒットの理由 40平米でも3人家族が暮らせる間取り!?

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われわれ建築事務所側も、某中堅不動産会社から新型2LDKの設計コンサルの依頼を受け、これまでさまざまな種類のプラン提案を行ってきた。一住戸あたりの必要最低間口を部屋の大きさや形からシミュレーションし、パズルのように解析しながら全体計画の指針をミリ単位で決定するのが特徴だ。特に敷地面積に制限のある都心部では、過不足のないシビアな設計が求められるわけだ。

「予算4000万円台、超都心」で広さを犠牲に

おそらくここまで細かく区切った2LDKはいまだかつてなかったのではないだろうか。天井の高いスタジオやロフトのようなタイプに、ブース状に空間を挿入するスタイルは比較的よく見かけるが、天井の低い空間を細かく区切るという発想は、せせこましくなるため、これまではむしろ敬遠されてきたように思う。

販売価格は、東京中央部の3区の中でも比較的リーズナブルな価格帯の日本橋あたりで4000万円程度。渋谷や目黒などの主要駅周辺であればさらに高く売れる。40平方メートル台の2LDKコンパクトマンションは、立地にこだわり、「生活の利便性に対しては譲れない」という都市志向の人たちが住む部屋だ。都心に住みたいと願う彼らも予算は限られているため、ダウングレードするならば、もはや面積しかないというのが現実なのだ。

土地神話全盛時代に建てられた中古マンションでもこのような間取りは少なく、少子化傾向の現代のほうが広さや高さが圧倒的に窮屈なつくりになっている。例えば1階を半地下にし、各階の天井高を抑えながら階数を増やすことで、可能な限り部屋数を増やしているのが現状である。

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