「まずやってみる」「まず動いてみる」という行動重視の姿勢、フットワークのよさが多くのイノベーションにつながっている。
「完璧性の追求」は日本企業の大問題のひとつ
もちろん、「デザイン思考」も完璧なものではない。「目先のアイデアばかりにとらわれている」「非現実的で根拠のない提案にとどまっている」などの批判もある。
しかし、それでも「デザイン思考」的発想の導入は、日本企業が再生を果たすためには欠かせないと私は考える。
日本企業が「失われた30年」において勢いをなくし、イノベーションを起こすことができなかったひとつの理由は、「完璧性の追求」にある。
マサチューセッツ工科大学のマイケル・クスマノ教授は、「日本はソフトウェアを製造業として捉えてしまった」と指摘する。
そうした過ちを繰り返さないためには、「アジャイル思考」を身につける必要がある。
「アジャイル思考」とは「小さな単位で修正を繰り返しながら、完成度を高めていく考え方」だ。
「アジャイル」とは「事前に詳細に計画を立てるのではなく、短いスパンで実装とテストを繰り返しながら完成を目指す」というソフトウェア開発手法を指す。
そして、この考え方の有効性は、システム開発だけにとどまらない。
不確実性の高い経営環境においては、イノベーションや商品開発、業務改革など経営のあらゆる局面において、「アジャイル思考」が求められている。
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