50代で直面する「役職定年」をどのように捉えるか これからの人生、迷惑をかけずに暮らすには

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一方で、年齢を理由にリスキリングすることを拒むといったことになると、「これからの時代変化の中で、あなたは不要です」と言われてしまう要因を自ら作ってしまうことになるのです。

組織によって異なるものの、一般的に55歳から役職定年を開始する企業が多いようですが、この役職定年をどのように捉えるかについては、個人差があるように思います。

自分が働いている会社が好きだったり、やりがい、仲間などに満足している場合、役職を外され、給与が下がっても会社に残りたいという方も、一定数いるのではないかと思います。

また、満足していないにもかかわらず、もうしょうがないことだから、と完全に諦めてしまい、ただただ定年になるのを待っている人もいると聞きます。

「望まない仕事・給料減」でいいのか?

多くの方にとっては、望まない仕事で役職定年となり、さらに給与減少、そのまま会社に残るということは、これからの人生にとって大きなリスクではないかと私自身は思います。自分の残りの人生を自分でコントロールするためにも、リスキリングに取り組んでいただきたいのです。

企業などが独自に取り組み、法律で規定されていない役職定年とは異なり、定年は明確に「高年齢者雇用安定法」によって定められています。

かつては55歳定年が主流でしたが、1986年の「高年齢者雇用安定法」施行によって、60歳定年が努力義務になり、1998年には義務化されました。それ以降、60歳定年が社会的に定着しますが、2012年の同法の改正(施行は2013年)で、希望者全員の65歳までの雇用確保(定年延長、継続雇用など)が義務化されます。

公務員については、2023年4月より60歳だった公務員の定年が、段階的に65歳に引き上げられることが決まりました。さらに、2021年の高年齢者雇用安定法改正によって、70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となりました。現時点では、この70歳というのが1つの指標になっています。

しかし今後、高齢化が進んで高齢の生活困窮者が急増すると、定年延長がさらに進む可能性もあるのではないかと思います。

2022年4月には、老齢年金の繰下げ受給の上限年齢が75歳まで引き上げられたことを考えると、75歳はまだ働くことができるという1つの期待値なのではないかと思います。今後、定年が75歳に引き上げられるという可能性もこれから否定できません。

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