国枝慎吾「金メダル4回」叶えたメンタルの鍛え方 こうして車いすテニス界のレジェンドになった

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アンのカウンセリングを受けた選手は、国枝のほか、3人ぐらいいた。吉田は振り返る。

「その中で慎吾くんが一番、すんなり反応した。アンとの言葉のキャッチボールがうまくはまった。人の言うことを自分なりにかみ砕き、理解して、とりあえずやってみようという行動力が慎吾くんの長所だと思う」

アンの問いかけは続いた。

「世界1位というのはどういうイメージだと思う?」

言葉で端的に表現するのは難しい問いかけだ。

アンは、いろいろ具体化する質問を続けていった。

理想の自分へと変えていく「アファメーション」

そして、「アファメーション」の作業に入った。アファメーション(affirmation)を英和辞書で引くと、「肯定、確認、断言」と訳される。その言葉を唱えることで自分を変えていくメソッドだ。

人間は1日のうち、何万回も自問自答しているという。そのほとんどは無意識に繰り返され、その心の声は顕在化されない。だから、肯定的なキーワードを内面に語りかけ、イメージを膨らませる。信念として固め、行動に変える。理想の自分へとアップデートするために。

言ってみれば、「なりたい明日の自分になるための自己宣言」だ。

アンは国枝が抱くイメージにしばらく耳を傾けた後、いくつかのワードを提示した。

その中に「I am invincible」があった。

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