注意!Windows10更新は、慌ててはいけない アップグレード前に押さえておくべきこと

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とはいうものの、すべての人がすぐにWindows 10へアップグレードしていいか、というと、そうではない。Windows 10での変化に伴い、特定のアプリケーションや周辺機器が動作しなくなる可能性があるからだ。

企業内で、会社支給のパソコンを使っている場合には、当然ながら、個人で勝手に判断してのアップデートはご法度だ。社内で使われているアプリケーションやウェブサービスが動作するのかを、情報システム部門が確認してからインストール、という手順になる。ここは従来となにも変わらない。

個人で購入し、仕事に使っているようなパソコンの場合にも、判断基準は「自分が必要なものが動作しているかどうか」になる。Windows 8で動作していたものは概ね問題ない、と言われているものの、全てがOKというわけにはいかない。

多くの銀行はアップデートを見合わせるよう警告

特に現在、Windows 10での動作について警告を発しているのが銀行だ。三菱東京UFJ銀行やあおぞら銀行、群馬銀行や北海道銀行、清水銀行などの地方銀行が、オンラインバンキングについて、Windows 10での動作が確認できないため、アップデートを見合わせるよう告知を出している。

その主な理由は、メインのウェブブラウザーが、これまで使われてきた「Internet Explorer」から「Microsoft Edge」に変わることだ。動作が速く安定しており、表示も美しいことが特徴だが、ウェブサービスの動作確認という意味では、まだまだ足りないところがある。銀行などが慎重になるのもわからないではない。実際には、Windows 10には「Internet Explorer 11(IE11)」も組み込まれており、そちらでブラウズすることもできる。IE11ならば大丈夫、という場合もあるだろう。

銀行に限らず、ウェブブラウザーの違いによるウェブアプリの動作の問題はついて回りやすいものである。一方で、この点についてはWindows 10独自の問題というより、パソコンに独自にウェブブラウザーを組み込み、そちらで利用した場合の問題に近い。だから、上記の点が深刻な問題である人もいれば、さほど困らないという人もいるはず。そういう観点で判断していただいて構わないだろう。

OSのアップデートの際には、ドライバーソフトなどの対応が問題になる場合が多い。パソコンメーカーは自社製品について、動作保証をして、情報を公開する。

しかし、そうした情報を全て確認し、確実なアップデートをおこなうのは、普通のパソコン利用者には難しいことだ。だから、パソコンのOSは「パソコンを買い換えるまでアップデートしない」人が多くなっている。

そうした部分をカバーするためにマイクロソフトが用意したのが「無償アップグレードの予約」という仕組みである。

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