●長期化する12年卒採用
7月以降の施策を見ても長期化の様相は見て取れる。7月段階で「すでに選考は終了した」企業は23%にとどまる。そして「内定者に対するフォローが中心となる」企業は44%だ。
しかし採用活動を継続する企業も目立つ。「新たに会社説明会を開催」30%、「就職部・キャリアセンターとの連絡」18%、「夏採用・秋採用」15%、「新たな学内企業説明会への参加」14%。かなりの数の企業が採用活動を継続しており、12年卒採用は全体として長期化は避けられない。
内定充足率でも遅延は読み取れる。12年卒の4月末段階の内定充足率0%の企業は5割近くを占め、91~110%の企業は1割に満たなかった。東日本大震災によって選考がストップした企業が多かったことを意味する。
しかし2カ月が経過した6月末時点では内定充足率0%は2割未満になり、91~110%は2割を超えている。71~90%、51~70%の企業も急増している。5月、6月で選考がかなり進んできている。
200%を超える企業もあるが、これは内定辞退者が多くなることを見越しての措置と思われる。
●成果の乏しい既卒者採用
未内定のまま卒業する学生に対し、厚生労働省は10年11月15日に「青少年雇用機会確保指針」を改正し、卒業後3年以内の既卒者を「新卒枠」で採用すべきとした。
この指針に基づき、12年卒採用の既卒者の扱いは、6割以上の企業が「新卒枠」で受け付けている。しかし、採用に至った事例は少なく、いずれの企業規模でも数%にとどまり、「1~50名」では皆無だった。「新卒枠で就職活動を継続」したい学生は多いが、ハードルは高い。
次回は、学生の動きから12年卒採用を総括する。
(本社:東京千代田区、代表取締役:寺澤康介)
人事のプロを支援するポータルサイト「HRプロ」を運営。新卒/中途採用、教育・研修、労務、人事戦略などの業務に役立つニュース、ノウハウ、サービス情報、セミナー情報を提供している。HR担当者向けのセミナーも東京・大阪で開催している。
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