オフィス賃料、「2017年ピーク説」は本当か 渋谷・新宿は堅調だが、港区・中央区には懸念

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
東京のオフィスの需給は、渋谷、新宿などがタイト。ただ2017年後半からは緩む可能性も。(撮影:今井 康一)

東京のオフィスビル賃料は回復傾向が続いている。不動産サービス大手のCBREによると、都心部の築年数の浅い大型ビル(グレードA)の今年4~6月の月額想定成約賃料は、1坪当たり3万3600円と前年同期比で6.2%上昇。他のグレードも同様に改善している。

2007年ごろの不動産ミニバブル期において、東京全体(オールグレード)の空室率は1.2%まで低下。賃料は5万2350円のピークをつけた。が、リーマンショックを受けて市況は急激に悪化。その後も「2012年問題」と呼ばれた新築オフィスの供給過剰で低迷が長期化した。

現在は貸す側が強い売り手市場

しかし、景気回復で足元の空室率は3.7%まで改善。おおよそ5%が売り手市場と買い手市場の境目といわれており、現在は売り手市場だ。賃料も最悪期の1坪当たり2万9050円から、3万3600円まで回復している。

賃料上昇を牽引しているのは、1フロアの面積が広く取れるオフィス。複数階や複数棟に分散した社員の集約による職場コミュニケーションの改善や、フリーアドレスなど新しいワークスタイルの導入といった、企業の新たなニーズへの対応が売りだ。

立地では丸の内が強い。「丸の内の大家」と称される三菱地所では、同地区の自社ビルの空室率が足元で1.8%まで低下。「リーマンショック後に賃料減額に応じた分、今は賃料を戻させてもらっている」(三菱地所)という。

次ページ今後の上昇余地は?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事