京王新線「新宿の隣」初台駅が放つ独自の存在感 開業時は「改正橋駅」、名前も場所も変わった

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

広報部によると2022年度の1日駅別乗降人員は、定期利用が45.9%、定期外利用が54.1%で、ターミナルの新宿駅、井の頭線との乗換駅である明大前駅とは逆に、定期外利用者のほうが多い。オペラやコンサートを観るために初台駅を利用する人が、それなりにいるということになる。

初台駅 新国立劇場
新国立劇場エントランスと出入り口(筆者撮影)

筆者は10年以上、この地域にオフィスを構えており、初台駅もひんぱんに利用している。たしかに通勤客も目にするが、新国立劇場や東京オペラシティで催し物がある日は、来場者と思わしき人々が多く訪れることも知っている。実際の乗降客数にもそれが反映していたということになる。

都営新宿線直通の利点

京王新線と都営地下鉄新宿線の相互乗り入れは、境界駅である新宿止まりの電車は稀で、ほとんどが相手線に直通運転する。山手線の外側にありながら、2つの施設が相応の来場者を集める理由の1つとして、都営地下鉄の駅という感覚で利用できることは大きいのではないだろうか。

新国立劇場の建設がこの地に決まったのは、相互乗り入れが始まった後であり、NTT東日本とカシオ計算機の本社ビルは、劇場とほぼ同じ時期に竣工している。上に書いた運行体系が、これらの建造物の誘致を後押しした可能性もある。

その結果初台駅は、新宿駅の隣でありながら、独自の存在感を発揮できている。直通運転の恩恵を受けるのは郊外だけではないことを、この駅は教えてくれる。

この記事の画像を見る(7枚)
「鉄道最前線」の記事はツイッターでも配信中!最新情報から最近の話題に関連した記事まで紹介します。フォローはこちらから
森口 将之 モビリティジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事