東芝、もはや修復不能だった歴代社長の確執 それは2013年の社長交代会見で表面化した
今回の第三者委員会の報告書では、いずれの社長時代も、高い収益改善目標への必達を求めたことで、現場が不適切な利益計上に追い込まれたことが指摘されている。西田と佐々木の経営スタイルは異なるものの、現場への圧力という共通項が東芝の暴走を引き起こしてしまった。
2013年の社長交代で佐々木が後任に推した役員は1人いた。だが西田と社外取締役2人で構成される指名委員会が選んだのは、それとは別の、パソコン事業をはじめ調達畑を歩んだ田中久雄だった。
できあがった重層構造
西田は「周囲から引き続きやってほしいと言われた」として会長にとどまり、佐々木は上場以来で初となる副会長職に就き、異例の3トップ体制が構築された。結果、相談役を含めて4人の歴代社長が、現役社長の“上”に並ぶ重層構造ができた。
田中は社長就任後、「自由に経営している」「やりにくさというものはない」と強調していた。ただ、不適切会計が表面化する以前、西室は「私も相談は受けているが、具体的な数字の相談は西田さんが受けている」と語っている。その話とはどこまで踏み込んだ内容だったのか。
今回の問題を受けて歴代3社長は一斉に辞任。7月21日、ほおがこけ、疲れ切った様子で会見に臨んだ田中。佐々木と西田は、最後まで公の場所に姿を見せることなく、東芝を後にした。
=敬称略=
(「週刊東洋経済」2015年8月1日号<7月27日発売>「核心リポート01-2」を加筆)
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