佐久間宣行「不祥事の渡部建」起用に学ぶ育成術 大バッシングが止まぬ中で再起の場を与える
ここで、この話に関連する、ある考え方を紹介しましょう。
人も組織も、関わりの中で、可能性を広げていく
ロシアの心理学者レフ・ヴィゴツキー(1896~1934)が提唱した発達の最近接領域(ZPD)です。人間が1人でできることは限られていますが、ほかの人が並走したり、関わったりすることで可能性がもっと花開いていくという考え方です。
その人のよさや可能性をもし見いだすことができたら、もっとこうできる、といった“もったいなさ”に気づくかもしれません。その“もったいなさ”は足りていないという意味ではなく、すごくいいところがあるのに、周りはもちろん、その人自身も気づいていない可能性のことです。
それに気づいて引き出していけたら、本人にとっても周りにとってもいい流れになるのではないかと思います。
人も組織も環境次第で可能性は大きく解放されます。こうした「もったいなさを見いだす」思考を持ちながら人材育成をしていくことは、これからの時代を生き抜く大きな武器になることでしょう。
そして何よりも、誰かと一緒に新たな景色を見ること、それはマネジメントとして必要なことというだけでなく、非常にやりがいや楽しさを感じられることであり、人と関わって仕事をすることで得られる喜びなのだと思います。いつも楽しそうに仕事している佐久間さんを見ていてそんなふうに感じます。
(構成:横田ちえ)
参考文献
佐久間宣行『佐久間宣行のずるい仕事術』,ダイヤモンド社
『SWITCH Vol.42 No.5 特集 佐久間宣行のインプット&アウトプット』2024年4月20日発売号)
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