佐久間宣行「不祥事の渡部建」起用に学ぶ育成術 大バッシングが止まぬ中で再起の場を与える

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この番組がすごいのは、渡部さんがしっかりトークをしやすい場を用意していることです。復帰するにはスキャンダルに触れないわけにはいかない、しかしスキャンダルを自分で積極的にネタにしてしまうのは、反省していないようにも見えて不快感を与えてしまうかもしれません。『トークサバイバー!』では「話さなくてはいけない状況」を巧みに作り出しているからこそ、渡部さんも自分をさらけ出すような、というか、さらけ出すしかないトークができたのでしょう。

佐久間さんは『トークサバイバー!』以外に、『NOBROCK TV』でも渡部さんを起用しています。騒動前には食レポなどタレント的な仕事で活躍の場を大きく広げていた渡部さん。佐久間さんはそんな渡部さんに対して、芸人としてイチから再起する場を用意している。そういうふうにも感じます。

渡部さんは今年6月21日には『5時に夢中!』で地上波出演など、さらに活躍の場を広げています。

本人が勝手に売れていく流れをつくる

こうして芸人やタレントが今まであまり見せていなかった魅力や個性を発揮したり、再起の場をうまく得られたりすると、新しいイメージや面白さが世の中にどんどん出て広がっていきます。

「この人にこんな顔があったのか」「この仕事をお願いしたら面白そうだな」と、佐久間さん以外のいろんなプロデューサーからの仕事も舞い込むようになるわけです。

2024年4月に発売された『SWITCH』の佐久間さんの特集でも、いろんな芸人が「佐久間さんの番組に出たことで仕事の可能性が広がっていった」という話が掲載されていました。

実際に佐久間さんは、自著でこのように話しています。

“発掘したからには、チーム全員で「その人にどんな場を提供したらもっと活躍してもらえるか」「どうすればもっとおもしろくなってもらえるか」を考える。(中略)すると本人もまわりも、「こんなふうにしたら笑いが取れるのか!」と理解する。これがわかれば他局でも登用され出番が増える。そうやって「売れていく流れ」をつくっていく。チームはこうやって、互いに協力し、成長しながら絆を深めるものだと思う”(『佐久間宣行のずるい仕事術』P110より)

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