「トランプは神」共和党大会で見た異様な熱気 トランプが「神がかった」演出をする場面も

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共和党大会が開かれているウィスコンシン州を含むスイング・ステーツ(激戦州)7州すべてでトランプ氏の支持率が、1.6〜6.2ポイントもリード。こうしたデータも、「ほぼトラ」「確トラ」と呼ばれる優勢を物語っている。 

「共和党は、トランプの下、今までになく強く、団結している!」と副大統領候補に選ばれたJ・D・バンス上院議員は、受諾演説で強調した。最終日に向けて、「勝利」に近い「滅多にない」共和党大会を印象付けた。

いいところがまるでないバイデン陣営

一方、バイデン氏にはいいニュースがない。6月末の大統領候補テレビ討論会で、どもり、発言のつじつまが合わず、センテンスを終わらせられないという大統領として惨めな結果で民主党を混乱に陥れた。

7月初旬の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議関連会合では、ウクライナのゼレンスキー大統領を「(ロシアの)プーチン大統領」と紹介。名誉挽回のためのテレビインタビューでは、相変わらず危なっかしい。さらに18日には、選挙戦で訪れていた西部ネバダ州で新型コロナウイルスに感染しており、デラウェア州の自宅に戻った。

アメリカメディアによると18日、バイデン氏は撤退の要請に「受け入れようとする」姿勢を示し始めた。チャック・シューマー上院院内総務など民主党の重鎮が、選挙戦から辞退するように働きかけているという。民主党の主な下院議員もバイデンが再選を諦めるように働きかけている。バイデン氏は崖っぷちに追い詰められた形だ。

トランプ氏は受諾演説のクライマックスをこう締めくくった。

「ウィン、ウィン、ウィン!」

会場全体からも拳を振り上げ、叫ぶ代議員が続いた。

「ウィン、ウィン、ウィン!」

2024年の共和党大会は、トランプ氏の暗殺未遂事件直後となり、前例にない「神がかった」内容となった。右耳にガーゼをしたトランプ氏の下に、共和党は団結して立ち上がった。トランプ氏は、演説終盤で満足げにこう言った。

「この大会は、共和・民主両党を見ても、過去にない最高の大会になった」

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津山 恵子 ジャーナリスト

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つやま けいこ / Keiko Tsuyma

東京生まれ。共同通信社経済部記者として、通信、ハイテク、メディア業界を中心に取材。2003年、ビジネスニュース特派員として、ニューヨーク勤務。 06年、ニューヨークを拠点にフリーランスに転向。08年米大統領選挙で、オバマ大統領候補を予備選挙から大統領就任まで取材し、『AERA』に執筆した。米国の経済、政治について『AERA』ほか、「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」「HEAPS」に執筆。著書に『モバイルシフト 「スマホ×ソーシャル」ビジネス新戦略』(アスキーメディアワークス)など。X(旧ツイッター)はこちら

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