「トランプは神」共和党大会で見た異様な熱気 トランプが「神がかった」演出をする場面も

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元プロレスラーのハルク・ホーガン氏も登壇。演説中に着ていた黒いTシャツを左右に手で割き、その下に着ていた「トランプ バンス(副大統領候補)」と書かれた赤いタンクトップを見せてこう言った。

「事件の後、黙っていることができなくなった。なぜなら、トランプは真のアメリカン・ヒーローだからだ!」

撃たれてから数十秒で不死鳥のように立ち上がったアメリカン・ヒーロー。政治家を弾圧するための「ポリティカル・バイオレンス」に屈しない拳――。ミルウォーキーで話を聞いたトランプ支持者は、こう思っている。「神」が降臨し、銃弾をトランプ氏からそらす「奇跡」を起こした、と。

あの写真もTシャツになっていた(写真:筆者撮影)

「神」という言葉が目立った大会

大会で祈りを捧げたキリスト教福音主義者のフランクリン・グラハム牧師は「神が彼を救った」と言った。トランプ氏の次男エリック氏も演説で「神の恵みによって、神の力の介入があり、父は生き延びた」と言って、拍手喝采を浴びた。

ミルウォーキーの大会会場周辺では「神」という言葉が、通常の大会より目立った。「イエス・キリストは私の救世主、トランプは私の大統領」と書かれたTシャツやハットが会場周辺で売られている。

ニューヨークから来たという年配の女性は「プロ・ゴッド(神の支持者)」と書かれたTシャツを着ていた。トランプ氏は、熱心なキリスト教信者が多い支持者にとって、「神に救われた特別な人物で、次期大統領に生まれ変わる」のだ。

そのトランプ氏は大会初日の15日夜、会場に登場し、「生まれ変わり」の姿をテレビを通して全米に見せた。6月末の大統領候補テレビ討論会で、ライバルのジョー・バイデン大統領が言葉に詰まり、ジル夫人の助けでステージを降りたのとは異なり、銃撃された後も家族席への階段を上り、強靭さを見せつけた。指名される大統領候補が大会初日から姿を見せるのは、極めて珍しい。

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