保険料納付期間延長案の見送りは問題
日本の公的年金制度は、退職後の生活のために十分な水準の給付をしているだろうか?また将来の見通しはどうか?
7月3日に公表された2024年財政検証の結果を見ると、厚生年金の場合には、5年後の所得代替率は、想定された4つのケースのどれでも、5割を回る。また高い成長率を仮定したケース1ケース2では、長期的に見ても、2120年まで5割を上回る(所得代替率とは、夫婦の年金額が、現役世代の男性の手取り収入の何%に当たるかを示すもの。政府は将来もこれが50%を下回らないようにすることを目標としている。2024年度の「所得代替率」は61.2%)。
このため、日本の公的年金制度は、安定的な給付を継続してくれるとの印象が広がっている。そして、政府は、懸案となっていた国民年金の保険料納付期間を延長する改正を、今回は見送る方針を決めた。


















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