日立の高速鉄道、イギリスでの意外な評価 現地でイギリス人に聞いてみた!
では、実際のところ英国人は、日立をはじめとする日本製品のことをどの程度知っていて、どのような印象を抱いているのだろうか。今回、ロンドン市内で無作為に選んだ21人の方にアンケート調査を行ってみたところ、興味深い結果を得るに至ったので、ここでご紹介することにしよう。なお、これは筆者が個人的に行ったアンケート調査ゆえ、分母が非常に少なく、記録として残せるようなものではない。あくまで、英国内におけるごく一部の声であるという点を、どうかあらかじめご了承いただきたい。
今回は21人のうち、8人はジャベリンが発着するロンドン市内セントパンクラス駅構内で、これからそのジャベリンに乗車しようという乗客の皆様に、残りの13人は街中でそれぞれお答えいただいた。
日立ブランドの知名度は?
まず、セントパンクラス駅構内の8人に「英国内に日本で製造された列車が走っていることを知っているか」と聞いたところ、「知っている」と答えたのはわずか3人にとどまった。知っていると答えたのは20~40代の男性のみで、女性は関心が薄いせいか、知っていると答えた方は皆無であった。一方で、ジャベリンへの乗車目的を尋ねたところ、5人は通勤で使用しており、3人は旅行者であった。
通勤者は、平日の5日間毎日乗車する人は少なく、週3日だけ出社の人や、週末だけ郊外の自宅へ戻るため、週1往復だけ利用する人もいた。英国内の高速新線CTRL1(Channel Tunnel Rail Link)が完成し、ジャベリンが走り始めたことで、これまで2時間掛かっていたロンドン~アシュフォード間がわずか40分と半分以下に短縮された。これを機に、郊外に家を購入してそこから通勤する人が増えたのだろう。今も車内広告では、「わずか40分で都心へ」という不動産広告が目につく。
なお、この8人の中で、今まさに乗車しようとしている車両が、日本製であると知っている人はたったの1人だけ。残りはそうと知らずに乗車していた。残念ながら、日立の名前は思った以上には英国民に浸透していないように感じた。
次に町中で回答を得た13人に、日立の列車(ジャベリン)に乗車したことがあるか、という質問をしてみたところ、13名全員が乗車したことがないと答えた。実際、現在のところ日立製の車両として唯一の存在であるジャベリンは、ドーバーやカンタベリー、アシュフォードといった、ロンドンから南東部への路線で走っているのみなので、その地域への用事が無ければ乗車する機会はなく、これは当然の結果ではある。
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