エバラでも勝てず「宮崎の定番"焼肉たれ"」の正体 宮崎でシェア53.8%「戸村本店の焼肉のたれ」の秘話

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そうなんです。だから規模が大きいところは全部機械化していますよね。でもうちが直火をやめて、蒸気での加熱システムを取り入れるなどの完全機械化をしていたら、こんなに買っていただけていないかもしれません。それくらい重要な部分で、直火はうちの生命線みたいなところです。

うちのたれの作り方は、成分分析をすれば醤油が何%、砂糖が何%、バナナやリンゴがどのくらい、などはほとんど調べられるでしょう。でも、真似するのはなかなか難しい。それは直火でやるのが大変だから作れないわけですね。仮に、直火スタイルを取り入れたとしても量産できないし、管理コストもかかってしまいます。

だから大手さんがわざわざ宮崎シェアだけを取るために、何千万もかけて直火炊きの設備投資や商品開発っていうのはあまり現実的ではないのかなと思いますね。

うちがどうにか生き延びてこられたのは、直火を続けているから。こだわりを持って、当初からの味を変えない、やり方も変えないっていうところでやってこられたのかなと思います。

たれまんまがおいしい

―焼肉のたれはバリエーションがありますか。

基本的なベースは「戸村本店の焼肉のたれ」と「戸村本店の焼肉のたれ 特選」ですね。特選はニンニクとか、フルーツを多めに使っています。首都圏は特選のほうが多く出荷されています。

あともう1種類「戸村本店の焼肉のたれ ワイン入り」もあり、ワインとはちみつを入れたコクとなめらかな口当たりが特徴です。

―おすすめの使い方はありますか?

唐揚げやチキンバーの下味に使うのはおすすめです。焼肉のたれなので、牛肉向けと思うかもしれませんが、鶏肉にも非常に合うんですよね。

あと白ご飯にかけるとうまいんですよ。焼肉を焼いて、たれをつけてそれをご飯の上にのせて食べるのがおいしいじゃないですか。焼肉じゃなくても、普段からもうたれをご飯にかけて食べています。たれまんまって呼んでいます。

―わかる気がします! 鰻のたれが染みたご飯がおいしい感覚に近いですね。

あと、レシピサイトでうちのたれを使ってキュウリを漬けるレシピを紹介している方がいました。やってみたらおいしかったです。こんな発想、使い方もあるのかと新たな発見がありましたね。

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