"算数"の勉強不足が「話ばかり長い人」を生む理由 「一言で言うと?」に固まるのは"抽象化力"不足
抽出という言葉の「抽」という漢字に着目してみましょう。この漢字は、「抽象化」という言葉にも用いられます。共通点を抽出する思考法には、この「抽象化」が必要不可欠です。
じつは、抽象化をもっとも体験できるのが算数や数学の授業です。たとえば「3個のリンゴ」と「3個のバナナ」では、何が同じで何が違うでしょうか。もちろん個数が同じで、果物の種類が違います。個数は数であり、算数や数学の言語になります。果物の種類は算数や数学の言語には(おそらく)なりません。そしてリンゴとバナナの共通点は果物です。
そういう意味で、「3個のリンゴ」と「3個のバナナ」は抽象度を上げると、まったく同じものと考えることができます。「3個のリンゴ」も「3個のバナナ」も、一言で言うならば「3個の果物」となります。
小学校時代の算数や中学校で学ぶ数学を「正しく」学ぶことは、抽象化とは何かを脳が覚えていくことに直結します。そこで「正しく」学ぶことができなかった人には、残念ながら大人になってからある症状が表れてしまいます。それが「一言で言う」というスキルの欠如です。あらためて、義務教育の質が人間の能力開発にとても重要であることがわかります。
大人のための義務教育
そういう意味で、ビジネス数学は大人のための義務教育と言っても良いかもしれません。リスキリングという言葉が常識になった現代。人間は一生のうち何度も新しいことを学んだり、かつての忘れ物を取り戻すために学び直しをしたりします。
義務教育が子どもの頃の一度きりというのは時代にもフィットしていません。そのような思いを胸に、多くの方に「一言で言う」というスキルを身に付けていただくため、これからも「一言で言うと何でしょうか?」と尋ね続けていきたいと思います。
最後に、冒頭でご紹介した3つの問いに対する私の答えをご紹介します。
あらためて、あなたもこの3つの問いの答えを言語化してみることをおすすめします。
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