「開成で落ちこぼれ」通信制に進学した彼の逆転劇 燃え尽き症候群で、先取り学習についていけず
先述のとおり、開成の自由な環境にうまくなじめなかった笹岡君の成績は急落してしまいます。一方で通信制高校に進んだ後に、幼いころから強い興味を持っていた建築系の学部を本格的に目指して、早稲田大学創造理工学部建築学科を第1志望に設定しました。
高校の学習内容は最低限こなしつつ、学外での活動である課外活動に没頭する3年間を送った笹岡君。結果は第1志望に現役合格しました。
早稲田大学の建築学科には「創成入試」という名前で、さまざまな課外活動の実績を記載する必要がある特殊な入試があります(活動実績は7項目まで記入可能)。学校の成績に比べると、活動実績がより重視されます。
彼は「普通の学校の勉強」についていけなくなった代わりに、課外活動が重視される入試で早稲田への切符を獲得しました。
超進学校で落ちこぼれた生徒の選択肢の1つ
進学校で落ちこぼれてしまった原因は人それぞれ。学校の授業についていけなくなった、人間関係でうまくいかない……などさまざまでしょう。そのため、理由は一概には言えませんが、私が運営している塾でも笹岡君のほかに、超進学校といわれる学校で、落ちこぼれてしまった生徒が推薦を目指して対策しています。
例えば名門女子校出身で、中3以降成績が下がってしまったある生徒は、評定がほとんど取れないなか、高校2年生から課外活動の実績を積んでいます。今年受験生ですが、すでに活動実績は十分で、今は書類の準備や自分の大学での学びを深化させるために専門書を読み進めています。
ほかにも「名門私立男子校で評定が急落したものの、その後推薦でGMARCH出願」「偏差値70の地方高校で学年ビリから、地元の国立の推薦に出願」など、この子は厳しいだろうな……と普通は判断されるような状態から、偏差値が高い志望校を目指す生徒がいます。
「学校の成績が取れないから大学受験は無理」という時代から「自分の専門性や強みで受験する」という選択肢が広がりつつあるのです。
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