「空気を読む」は「考えない」につながる愚行だ

危険!「思考逃避」という落とし穴(上)

――耳が痛いですね……。自分が大丈夫かどうか、見分ける方法はありますか?

BBT大学の学生と議論したことがあるのですが、以下のような無言のルール、当たり前の行動が組織の中に蔓延すると、若手の角が削られ、空気読みに敏感な人が醸成されていくことにつながるという意見がありました。

①初めて会った社内の人に、まず入社年次から自己紹介を始める。

②中途入社の人を社外の人に紹介するときに、中途入社であることを強調する。

③会議の場で発言しない出席者が異様に多い。発言者以外は下を向いてメモをとる、あるいは向かい側の席の人と目が合わないようにしている。

④会議の場で、上司の発言にはやたらとうなずく。

⑤トップが現場、若手の声を聞くということが、一種儀式化する。トップと若手との懇談風景はイントラネットなどに掲載されるが、事前に質問事項を人事が厳しくチェックしている。

⑥本社から現場への指示文書が多く、現場は消化できない。この指示文書の発出によって、本社はその時点で免責になる。

極端かもしれませんが、私の印象では、このような組織は決して少なくないはずです。6つのうち、2つ以上当てはまっていたら、要注意だと思ってください。

組織のお作法を重視する

――次に「思考逃避」を生み出す2つめの要因である、「組織のお作法」について教えてください。

ここでは、組織の規範となる思考を、大きく2つのパターンに分けて考えてみます。ずいぶん乱暴なようですが、思考逃避の原因を理解するためには、けっこう役に立つ分け方です。

ひとつは、思考・行動の結果として何を生み出したのか、議論の中身を重視し、その結論の実現のために有効な方法論を考える「結果インパクト重視」の思考。もうひとつは、根拠・規定・権限などに沿って正しい手続きを踏むことを最重視した「手続き重視」の思考。特に思考逃避を生み出しやすいのは、この2つ目の「手続き重視」の思考が蔓延した組織の場合です。

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