「空気を読む」は「考えない」につながる愚行だ

危険!「思考逃避」という落とし穴(上)

再現性の高い仕事、すなわち繰り返し作業で、特に創意工夫の必要がなく、毎回間違いなくこなすことが重要な仕事をする組織は、「手続き重視」思考に陥りがちです。より経験を積んだ上司から言われるままに、与えられた範囲の仕事を黙々とこなすことが大切とされます。

言われたことを言われたようにやるだけであれば、その実行の帰結に対しての責任も回避することができます。「これは言われてやりました、自分としては知りませんでした」というわけです。

このように、手続き重視の組織においては、その業務範囲が明確に決められていて、それ以外に関しては「知らなかった」ということで免責になります。したがって、あえて視野を広げたり意見を言ったりすることは、マイナスになるという意識が強くなりがちです。この場合、むしろ余計なことは知らないほうがよい、ということにもなります。思考逃避は、このような意識から生まれてしまいます。

21世紀は「答えのない時代」

――再現性が高い仕事に従事しているのであれば、それでも問題ないかと思いますが……?

新刊の監修をした大前研一・BBT大学学長も書籍の中で述べていますが、21世紀は紛れもなく「答えのない時代」です。環境が永続的に変わらなければそれでもいいでしょうが、「答えのない時代」に、いつまでも繰り返しの定型業務だけでうまくいく組織などあるはずがありません。どこかのタイミングで、必ず環境変化に対応した創意工夫が必要になります。

日頃から思考のトレーニングを積んでいないと、そのときになって慌てても手遅れになってしまいます。仕事を「自分ごと」ととらえ、「これは言われてやりました、自分としては知りませんでした」などと責任逃れをすることがないよう、日頃から注意する必要があるのです。

キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
  • 最新の週刊東洋経済
  • 若者のための経済学
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
関西電力がはまり込んだ<br>「原発マネー」の底なし沼

社会を揺るがした関電首脳らの金品受領問題。本誌は関係者による内部告発文や関電の内部調査報告書などで、「持ちつ持たれつ」の関係に迫った。実態解明は第三者調査委員会に委ねられるが、原発推進への自傷行為となったのは間違いない。